私が村田ボーリング技研に入社し、名古屋工場の製造担当に配属されたのは45年前。
入社初日のことは、今でも鮮明に覚えています。工場内に設置されたクレーンを動かそうと、ペンダント式の操作器を片手で扱っていた時のことです。
それまで「優しい叔父さん」だと思っていた常務から、突然、厳しい口調で怒鳴られたのです。
「両手を使え!」
その一言に、私は全身が凍り付くほど驚きました。それと同時に、「仕事場とはこれほどまでに厳しい場所なのだ」と身をもって教わった瞬間でもありました。
それ以来、私はクレーンの操作だけでなく、あらゆる場面で「両手」を意識するようになりました。
例えばクレーン操作なら、「東・西」と「南・北」を片手ずつで操作し、一度に2方向へ同時に動かす。そうすることで、作業効率は劇的に変わります。
この「両手を使う」という習慣は、45年経った今でも私の思考のベースにあります。
一つのことだけでなく、常に多角的に、そして効率的に物事を進める。
あの日の叱咤激励が、今の私の仕事のスタイルを作ってくれました。
写真、11年前に80歳で勇退したK常務。現在91歳。
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