父が生前使っていた古い電卓、ソニー製「SOBAX ICC-610」。
調べてみると、1969年に発売されたもので、当時の価格はなんと29万8千円。
今の価値に換算すると、100万円を超える高級機です。
前身モデルのICC-500(1967年発売)はバッテリー駆動まで可能という“モバイル電卓”の先駆けでした。
当時は電卓市場が急拡大し、40〜50社が参入。
「電卓戦争」と呼ばれるほどの競争が繰り広げられ、1970年には市場規模が1000億円に達したといいます。
しかし、ソニーは3年後の1973年、この分野から撤退。
激しい競争の中で利益が薄れた“時代のうねり”を感じさせます。
SOBAXは、技術革新の熱気と挑戦の象徴として、今も静かにその歴史を語り続けています。
ソニー製「SOBAX ICC-610」

ソニー「SOBAX ICC-610」


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